2016.12.28

●トリヒナ●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

ノロウイルスが流行ってますねぇ。正式な警報が出たそうですよ。

 ノロウイルス感染症も、予防ワクチンがあればいいのに。って思います。

 なにしろ、ノロウイルスはもうカンベンです。あの苦しさったらありませんからね。

 昔、症状がピークのタイミングで、環境省の仕事で石川県に出張にいったことがあるのですが、あの時は、ホントに死ぬかと思いました。

 もうね。一生ぶん公衆トイレに駆け込んだ感がありますよ。人生のうちで一番長い距離を内股で歩いた気がする。すごい小刻みな歩調で。なんなら無意識におケツを手で押さえてたかもしれない。

 まわりに配慮しなくちゃいけないから、持参のスプレーで手やら触ったものやらを消毒しまくりながらの移動ですからね。知らない人からみたら明らかに不審者ですわ。

 そんな状態ですからね。いつ講師が壇上でリバース&リークという惨劇を起こしても不思議じゃない。

 最前列に座った方は、自らの勤勉さを後悔することになったと思います。

 幸い、そうはならずに、なんとか気合いと根性で乗り越えましたけど、まさに紙一重でかわせた感じ。あやうく恥ずかしい伝説を残すところでした。

 脳内で変な物質が出てたのか、逆に、ハートに火がついた講習会になって、仕事としては上出来でした。聴講者アンケートに「おもしろかった!」と書いてくださった方が多かったので、心の救いになりました。

 帰りに、上野動物園の獣医さんと能登の寒ブリで一杯やるのを楽しみにしてたのに、自分の出番が終わるや否や、ダッシュで帰りましたわ。

 いま思い出しても冷や汗もんです。

 ちなみに、ノロウイルスが死滅するレベルまで加熱したカキって、もはや食べごろじゃないですからね。食べてみて、プリプリ感のある美味しいカキってのは、裏を返せばリスキーな調理状態って考えられなくもありません。

 カキの生産者の皆様には申し訳ないですけど、とりあえず 今はカキフライすら食べないのがいいのかな・・って思います。

 で!食い物を十分に加熱調理する話のついでにクマの話。

 イタリア料理屋でヒグマを食べた客が、旋毛虫症になってしまったというニュースがありましたね。

 私たち獣医にとっては旋毛虫という名前より、トリヒナという俗称のほうがなじみが深いので、今日のタイトルにはトリヒナと書きました。

 十分に火のとおってないクマの肉なんか食べたらトリヒナになっちゃうよ なんてことは、常識中の常識で、1年生だって知ってる話です(麻布大学では)。

 まぁ 出された客は、プロが調理してんだから、正しく調理してるだろうと思うでしょうから、気の毒な話です。

 このシェフはどういうつもりでヒグマを調理したんだか、チャンスがあったら、直接会って聞いてみたいくらいです。

 そもそも イタリアにクマを食する習慣があるのだろうか・・・・。ヨーロッパヒグマってイタリアに棲息してたっけかな・・・。

 なにしろ、イタリア料理屋でヒグマが出てくることに驚きを隠せません。

 みなさんも クマを食べるときには、これ以上ないくらいに火をとおして(美味しい焼き加減なうちはダメだと思っていただいてかまいませんから)、旨いとか旨くないとかじゃなくて、クマを食べたという思い出だけを追求するようにしてください。

 なんて書いてる途中で、なんと!マドモアゼル・フランソワーズが遊びに来てくださいました。

 牛恵ちゃんの話。ちゃんと読んだぞと。

 彼女のブログにも書いてありましたけど、わざわざそれを伝えに来てくださいました。ありがとうございます。

 また 遊びに来てくださいねぇ~。

 以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。