2016.11.25

●アウトブレイク●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 雪が降りましたねぇ。11月に。

 ちまたでは、早くもインフルエンザとノロウイルスが猛威をふるっているそうで。みなさま、手洗いとうがいと、節制による体力維持を心がけてくださいませ。

 獣医業界では、野鳥や動物園動物に高病原性鳥インフルエンザが検出されて、大騒ぎとなっております。

 特に、今回、コクチョウとシロフクロウに感染が見られた秋田県の大森山動物園では、国の天然記念物のニホンイヌワシが多数飼育されており、安否が心配されています。

 その中に、日本最高齢のニホンイヌワシ(おそらく世界最高齢)といわれている、鳥海君がいます。このイヌワシは、日本の野生動物保護のシンボルとしての存在感が大きく、なんとしても生き延びて欲しいと思います。

 ちなみに、鳥インフルエンザは、鳥の病気なので、人間には、基本、感染しません。過度に心配する必要はありません。

 しかし、ごく稀に、偶然に偶然が重なった上に運の悪さが相まって奇跡が起こると、人にも感染して、高い死亡率を示すことがあります。さらに、人の体の中でウイルスが変異を遂げて、ヒト型インフルエンザになってしまうと、人類の脅威となりえます。

 私たちが気をつけるべきことは、本来は偶然であるべき出来事を、わざわざ人為的に作り出さないこと。すなわち、鳥インフルエンザのウイルスが人の体内に入って変異をするチャンスを与えないことに尽きます。

 目の前に見慣れない野鳥が落ちていても、かかわらずに放置しておくのが上策です。わざわざそれを家庭内に持ち帰って大切に看護したり、動物病院に持ち込まないこと。野鳥を自宅の台所で解体して食べたりしないこと。

 目の前に落ちている野鳥が、どうしても気になる場合は、東京都環境局か多摩環境事務所に連絡して、対応してもらいましょう。

 感染症と言えばもうひとつ気になることが。

 某ピザ屋さんが、首都圏で大雪が降った場合に備えて、宅配にトナカイを使おうとしているらしく。

 ピザって基本、素手で箱をあけて、その手で食べるじゃないですか。

 お届けの途々、トナカイをさわったり、トナカイのウン○を片付けながらやってきた配達の人から手渡されるピザの箱ってどーよ。って思いませんか?

 配達の人が店にもどってそのまま調理に参加するんだったら、話はもっと深刻。

 ちゃんと手を洗えよと。

 トナカイさんのピザとかいったら、ちっちゃい子が楽しみにしそうな企画ですからね。もしももしものときには、悲惨なことになりますよ・・・。

 ってなわけで この冬、ピザ屋でバイトをする若い衆に告ぐ! トナカイをさわった後には手を消毒してからチーズをピザ生地に撒くこと! 焼くから関係ねぇとか屁理屈もいわないこと。

写真は、警察案件のオオトカゲを入れるためのケージを手作りしている最中にぶちあたった壁。

 保温器具をカバーする頑丈なステンレスのカゴに、取り付け用の穴をあけているんですが、これがすごく大変な作業なんです。

 金属用ドリルビットと切削オイルを使いながら地道に地道に削っておりますが、なかなか穴にならないの図。

 個人的にいろいろテンパってるときに、ほんとに手間をかけさせる生き物でございます。
 
 以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。