2016.10.02

●FOX に Pinch される by ルー大柴●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 11月になりました。神様おかえりなさい。

 生き物の仕事をしていると、魔訶不思議な出来事というのに遭遇することがあります。

 写真のドーベルマンは、若く見えるけど実はかなりのお年寄りで、以前、謎の神経症状で倒れました。

 このドーベルマンは、農村地帯に住んでいるので、かかりつけの獣医さんは、農薬の中毒だ!とピンときました。

 しかし、治療への反応が芳しくなくて、激しい神経症状が続き、これは助からないだろうと・・。

 偶然、その地域にかなり大きな動物病院を展開している私の同級生がいたので、そこで入院治療をお願いするものの、あまりに重い神経症状が継続するので、今度は、脳腫瘍が疑われ、「頭を開けよう」ということになります。

 おいおい ちょっと待てと。

 さすがに、棺桶に片足つっこんでると言っても過言ではない高齢犬の頭をあける手術は現実的じゃないだろう(しかも検査のためのMRIを全身麻酔でやらないといけないし)。

 営業妨害のようで 同級生には申し訳なかったけど、手術は辞退ということで・・。

 飼い主さんは、死を受け入れて、自宅で発作を起こしながら寝たきり状態の子につきそうことにします。

 しかし、飼い主さんが徹夜でこまごまと介護しているうちに、どうしたわけだが自力回復。3か月で普通の健康状態にもどってしまいました。

 その後、ずっと元気で暮らしているので、農薬中毒でも、脳腫瘍でもなかったんじゃないかということで、いったいぜんたい 何だったんだ?? って話しですが、まぁ 結果オーライ。

 ところが 数日前に、いきなり腹が膨れて、瀕死の状態になります。 もう おなかポンポンで呼吸もできないくらい。

 胃拡張・胃捻転の類か、腹腔内出血か・・・。どのみちキケンなので、東京の獣医に電話相談してる場合じゃないから、近所の医者に行きなさいとアドバイスをしました。

 いそいで近所の医者に行ったものの、「貧血がひどいのはわかったけど たぶん手遅れ」と言われ、その足で、私の同級生の大病院に行き、「腹腔内出血なのはわかったけど 脾臓に問題がないので、おそらく肝臓だから手がでない。 出血はいまのところ止まっているようなので輸血もしない。」と言われ帰宅。

 死を受け入れた飼い主さんが、自宅で看取っていると、翌日から、なぜだかみるみる腹がしぼみはじめ、数日で歩けるように。呼吸もままならなかったのに、今は走っているとのことで・・

 で・・様子を見せに東京まで来てくれたんですが、血液検査の結果、貧血が治っていました。
 最初の病院で受けた血液検査の結果では、いまにも死にそうな貧血の値だったのに、完璧な正常値になっています。

 そんな 数日でヘマトクリット値が正常になるなら、苦労はありませんがな。輸血したってあそこまではもどらないんですけどね。治療らしい治療って 一切受けてないんですけど なんで???

 そもそも私、腹がふくれてるときの姿を見てないんで、ぜんぜんピンときてません。飼い主さんを嘘つきヤロー呼ばわりする権利すらあると思います。

 意味わかりませんが、でもまぁ 結果オーライってことで。

 結果として いいことなら、意味不明だってなんだって大歓迎です。これからも意味不明で治ってほしいものです。お願いします。

 ってなことを書いてる獣医のブログを読んで、この病院に行こう! って思う人がいるわけがないから、ホームページとしては まずいのか・・・。

 まぁ いっか。  結果オーライだ。

 そして 明日は4時起きだぁ!!!
 何の罰ゲームだかしらんが がんばるぞぉ~。
 
 以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。