2016.06.29
●講習会●

本日もお立ち寄りありがとうございます。
昨日 火曜日は ご存じ休診日でございましたが、脊椎疾患の症例を2件ほど治療したのち、動物取扱責任者講習を受講するためダッシュで中野へ行ってまいりました。
さて。中野と言えば、五代将軍・徳川綱吉公が発した、生類憐みの令ゆかりの地でございます。
その中野で、世が世なら打ち首獄門な皆さんが呼び出されて、動物愛護法で義務付けられた講習を受講する・・。
なんとも不思議な偶然の一致であります。天国の綱吉公も、「やっと時代が俺についてきたぜ!」と満足なさっていることでしょう。
この講習会。主としてペット屋さんなどの動物取扱業者を対象に開催されておりますが、動物病院も受講しなければなりません。ペットホテルは動物を「保管」する、保管業とみなされるので、入院と別枠でこれを行う動物病院は、動物取扱業者としての登録をしなくてはならないのです。
私の場合、それに加えて、糠床(ぬかどこ)犬がいますので、販売業のほうでも、動物取扱業者の登録をしないといけません。
ゴールデン・レトリバーを自宅で繁殖した場合、都合よく、自分が残すぶんの一匹しか生まれないなんてミラクルはめったにおこりませんから、残りの子犬はだれかに譲渡することになります。このとき、タダでさしあげたとしても、個体数が複数だったら、これは販売業とみなされる。というのが法律上の解釈となります。自宅でハムスターが繰り返し子供を産み、それを毎回、ペット屋さんにひきとってもらうというのも、実は販売業と同じ行為で、法律で規制されます。
この法律のため、自宅で小規模に犬を増やしていたブリーダーが激減し、ペットショップで犬が手に入りにくいという事態も起きたようです。キャベツじゃあるまいし、あり余るほど子犬が生産されるなんてことは、異常ですから、動物福祉目線では、成功した法律といえるかもしれません。
が!!
私は 毎回 怒り心頭でこの講習を受けています。
ようするに、行きたくない。
時間の無駄。 やめてほしい。
講習会場で、まわりを見回すと、上野動物園の獣医さんがいたりします。この方たち、展示業の責任者として、受講を余儀なくされているのですが、あきらかにおかしいと思います。公立の動物園と猫カフェはいっしょか???
あの天下の上野動物園の、たいていは国立大卒の、ジャイアントパンダの主治医ともあろう方々が、打ち首獄門の群れに交じって、意味のないクソつまんねぇ講義(失礼。言葉が汚いですね)を受講しなければならないという・・・。なんじゃそりゃ。
そもそも私たち獣医師は、公衆衛生や家畜衛生など、この講習会で取り上げられるテーマに該当する学問を、ちゃんと大学で履修して単位とって国家試験にうかって、獣医師という国家資格を取得しているんです。
日々の仕事においても、動物を飼育するというジャンルで、常に指導的立場で社会に貢献しているハズなわけで・・。
そんな私たちが、なんで街のペット屋さんと机をならべて同じテーマで講習会を受けなければならないのか・・
仕事を休み、休日を潰されて(これはすべての受講者にとって同じ負担ですけどね)、犬舎の消毒の仕方を習わないといけないのか・・。
正午の受付開始から、都合4時間の拘束ですからね。
深夜バス サイコロの旅ほどじゃないけど ケツにも腰にもきますよ。
たとえばですよ。
ご自分の人生の終焉を想像してみてください。
点滴の管やら、尿道カテーテルやら胃瘻やらに繋げられて、床ずれの痛みを伝えたくても人工呼吸器が入ってるからしゃべれないあなたがベッドに横たわっているとします。終焉といっても、そんなにあっさりぽっくりとは逝かせてもらえない、エンドレスな苦痛の日々です。
そんな病床でね・・思い起こすわけですよ。 まだ自由に動けて、美味しく飯が食べれたころのことを。あのときの貴重な4時間を、今この瞬間とすり替えることができたらどんなにいいだろうって。 あのときの4時間を返せと。
いやほんと。大事ですよ。時間って。
自分の時間が大事なんだったら 他人の時間だって大事であるべきで、おいそれと他人様の時間を無駄にしちゃぁ いかんと思うのですよ。
しかもこの講習会、受付やらなにやらの段取りが異常に悪い。もう、主催者の正気を疑うばかりの段取りの悪さ。
講義が早めに終わってしまい、時間があまったので趣味の落語を披露しますとか言い出す奇想天外な講師まで現れたことがあります。
もうね。ほんと。いきたくないんです。この講習会。
でも 行ってきましたよ。しょうがないから。
もちろん 怒りながらですよ。さとう珠緒でいったら ぷん!ぷん!ってな感じですよ。おっさんだから可愛くないけど。
で・・聴いてみたらまぁ・・。
超 おもしろかった!
今日の講師は神でした。
水越 美奈先生? 日獣大の先生だって。
大学の聴講生の手続きして、この先生の講義を本気で受けたいと思いましたね。
いやぁ。行ってよかったわ。講習会。
ああ おもしろかった。
もう 毎回この先生の話にしてほしい。
水越先生 サイコー!
あれ? ブログに怒りをぶちまけるつもりで写真とってきたのに、なんか違う。 ま・・・いっか。結果オーライ。
毎回、アンケートにボロカスに苦情を書いた(きっと多くの方がそうしたにちがいない)成果もあり、段取りもかなり改善されておりました。
いつもは終了後、なかなか会場の外に出られなかったのですが、今回はそれもなく。すんなり終わりました。
ペットシッター藩士の推理によると、舛添都知事の退陣で、受講証明書にハンコを押す人が不在だから、受講証明書が後日郵送になったんじゃないかと。そのおかげで、帰りの手続きが簡素化されたと。 なるほど 来年もそうしてほしいですね。
できれば 来年の受講証明書に、「そのまんま東」なんて署名捺印がないことを祈ります。
首都をナメんなよと。
以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
昨日 火曜日は ご存じ休診日でございましたが、脊椎疾患の症例を2件ほど治療したのち、動物取扱責任者講習を受講するためダッシュで中野へ行ってまいりました。
さて。中野と言えば、五代将軍・徳川綱吉公が発した、生類憐みの令ゆかりの地でございます。
その中野で、世が世なら打ち首獄門な皆さんが呼び出されて、動物愛護法で義務付けられた講習を受講する・・。
なんとも不思議な偶然の一致であります。天国の綱吉公も、「やっと時代が俺についてきたぜ!」と満足なさっていることでしょう。
この講習会。主としてペット屋さんなどの動物取扱業者を対象に開催されておりますが、動物病院も受講しなければなりません。ペットホテルは動物を「保管」する、保管業とみなされるので、入院と別枠でこれを行う動物病院は、動物取扱業者としての登録をしなくてはならないのです。
私の場合、それに加えて、糠床(ぬかどこ)犬がいますので、販売業のほうでも、動物取扱業者の登録をしないといけません。
ゴールデン・レトリバーを自宅で繁殖した場合、都合よく、自分が残すぶんの一匹しか生まれないなんてミラクルはめったにおこりませんから、残りの子犬はだれかに譲渡することになります。このとき、タダでさしあげたとしても、個体数が複数だったら、これは販売業とみなされる。というのが法律上の解釈となります。自宅でハムスターが繰り返し子供を産み、それを毎回、ペット屋さんにひきとってもらうというのも、実は販売業と同じ行為で、法律で規制されます。
この法律のため、自宅で小規模に犬を増やしていたブリーダーが激減し、ペットショップで犬が手に入りにくいという事態も起きたようです。キャベツじゃあるまいし、あり余るほど子犬が生産されるなんてことは、異常ですから、動物福祉目線では、成功した法律といえるかもしれません。
が!!
私は 毎回 怒り心頭でこの講習を受けています。
ようするに、行きたくない。
時間の無駄。 やめてほしい。
講習会場で、まわりを見回すと、上野動物園の獣医さんがいたりします。この方たち、展示業の責任者として、受講を余儀なくされているのですが、あきらかにおかしいと思います。公立の動物園と猫カフェはいっしょか???
あの天下の上野動物園の、たいていは国立大卒の、ジャイアントパンダの主治医ともあろう方々が、打ち首獄門の群れに交じって、意味のないクソつまんねぇ講義(失礼。言葉が汚いですね)を受講しなければならないという・・・。なんじゃそりゃ。
そもそも私たち獣医師は、公衆衛生や家畜衛生など、この講習会で取り上げられるテーマに該当する学問を、ちゃんと大学で履修して単位とって国家試験にうかって、獣医師という国家資格を取得しているんです。
日々の仕事においても、動物を飼育するというジャンルで、常に指導的立場で社会に貢献しているハズなわけで・・。
そんな私たちが、なんで街のペット屋さんと机をならべて同じテーマで講習会を受けなければならないのか・・
仕事を休み、休日を潰されて(これはすべての受講者にとって同じ負担ですけどね)、犬舎の消毒の仕方を習わないといけないのか・・。
正午の受付開始から、都合4時間の拘束ですからね。
深夜バス サイコロの旅ほどじゃないけど ケツにも腰にもきますよ。
たとえばですよ。
ご自分の人生の終焉を想像してみてください。
点滴の管やら、尿道カテーテルやら胃瘻やらに繋げられて、床ずれの痛みを伝えたくても人工呼吸器が入ってるからしゃべれないあなたがベッドに横たわっているとします。終焉といっても、そんなにあっさりぽっくりとは逝かせてもらえない、エンドレスな苦痛の日々です。
そんな病床でね・・思い起こすわけですよ。 まだ自由に動けて、美味しく飯が食べれたころのことを。あのときの貴重な4時間を、今この瞬間とすり替えることができたらどんなにいいだろうって。 あのときの4時間を返せと。
いやほんと。大事ですよ。時間って。
自分の時間が大事なんだったら 他人の時間だって大事であるべきで、おいそれと他人様の時間を無駄にしちゃぁ いかんと思うのですよ。
しかもこの講習会、受付やらなにやらの段取りが異常に悪い。もう、主催者の正気を疑うばかりの段取りの悪さ。
講義が早めに終わってしまい、時間があまったので趣味の落語を披露しますとか言い出す奇想天外な講師まで現れたことがあります。
もうね。ほんと。いきたくないんです。この講習会。
でも 行ってきましたよ。しょうがないから。
もちろん 怒りながらですよ。さとう珠緒でいったら ぷん!ぷん!ってな感じですよ。おっさんだから可愛くないけど。
で・・聴いてみたらまぁ・・。
超 おもしろかった!
今日の講師は神でした。
水越 美奈先生? 日獣大の先生だって。
大学の聴講生の手続きして、この先生の講義を本気で受けたいと思いましたね。
いやぁ。行ってよかったわ。講習会。
ああ おもしろかった。
もう 毎回この先生の話にしてほしい。
水越先生 サイコー!
あれ? ブログに怒りをぶちまけるつもりで写真とってきたのに、なんか違う。 ま・・・いっか。結果オーライ。
毎回、アンケートにボロカスに苦情を書いた(きっと多くの方がそうしたにちがいない)成果もあり、段取りもかなり改善されておりました。
いつもは終了後、なかなか会場の外に出られなかったのですが、今回はそれもなく。すんなり終わりました。
ペットシッター藩士の推理によると、舛添都知事の退陣で、受講証明書にハンコを押す人が不在だから、受講証明書が後日郵送になったんじゃないかと。そのおかげで、帰りの手続きが簡素化されたと。 なるほど 来年もそうしてほしいですね。
できれば 来年の受講証明書に、「そのまんま東」なんて署名捺印がないことを祈ります。
首都をナメんなよと。
以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。