2016.05.26
●ロビンソンさんと秋刀魚の骨 リ・ローデッド●

本日もお立ち寄りありがとうございます。
現在 宮古島を旅行中のマダム・ジャカランダ様より 「早く ロビンソンさんの話の続きを書け!」と リクエストをいただきましたので、続きを書きます。
狂犬病の予防接種だったはずが、あれよあれよというまに血液検査やら超音波検査やらになってしまったワンコ。
残念なことに、予想通りの病気が見つかってしまいました。臨床症状が表面化していないにもかかわらず、中身はガッツりと緊急手術の必要性を示唆しています。
話がいきなりすぎて、なんかもう 平あやまりな気分でしたが、このいきなりの事態をご理解いただき、そのまま入院で手術となりました。早朝に食べたきりなので、このまま点滴をして体を安定させて絶食すれば、終業後の夜には手術ができるでしょう。
この事態を冷静に受け止め、我々を信頼してくださり、素早く決断してくださった飼い主さんに敬意を表し、感謝したいと思います。
ただし、問題がひとつ。この日は、カナちゃんが休みの日。
就職してから毎日、病院が大混雑で、家に帰ったらバタンキューで寝てしまうカナちゃん。
久々の休みをとっているカナちゃんに電話をするのは気が引けましたが、ダメもとで電話をしてみました。
はい! いいですよ~! と元気な明るい声で即答してもらえて一安心。 舌打ちも聞こえなかったし。いい子だわぁ~。
7時まえに カナちゃん到着。
着替えをすませてニコニコと手術の準備をはじめてくれました。舌打ちとかせずに。
閉院後、十分に点滴が入ったころを見計らって手術開始 & 無事終了ぉぉぉ~。
めでたしめでたし。
就職してまだ日が浅いカナちゃんですが、今日は、自分も動物の命を救ったんだっていう実感を持ってくれたんじゃないかと思います。休日の夜中に呼び出されたにも関わらず、とても嬉しそうな笑顔で、自分の仕事の手ごたえを噛みしめている様子でした。
飼い主さんに無事を報告したあと、ロビンソンさんに電話をかけてみました。
少なくとも今日のところは見落とすはずだった手術。下手すると、もっと長いこと経ってしまって、死亡リスクがうんと高い状態での手術になりかねなかった症例です。実際に、飼い主さんも、今の様子だったら、全く危機感もなく、数日は過ごしていたと思うとおっしゃってました。
ロビンソンさんのミラクル無茶振りがワンコを救ってくれました。お礼の電話をせねばなりません。
話を聞いて、ロビンソンさん おどろくやら 喜ぶやら。
「俺もよぉ 犬が大好きだからよぉ そうやって命が助かって、本当にうれしいよ。それにしても 不思議なことがあるもんだなぁ~」
私に言わせりゃ、その不思議なことを引き起こしたのはあなたでしょ。昔っからロビンソンさんのエピソードは不思議でいっぱいだったでしょ。って突っ込みを入れたいところでしたけどね。
19歳の学生だったころに知り合って、いろんな楽しいお話しや不思議なお話しを聞かせてもらいましたけど、今日は、私がネタの提供者ですね。かつての私みたいな学生がロビンソン小屋に遊びに来たら、今日のこの出来事を話してやってくださいませ。
で! カナちゃん。
手術開始がおそかったですから、そのまま押せ押せで帰宅は深夜。(カナちゃんのお父さんごめんなさい)
明日も早いからってんで 大急ぎで晩御飯を食べたところ・・・・彼女を悲劇が襲います。
晩御飯のメニューは秋刀魚の塩焼き。
もうすぐ食べ終わるぞ という頃に喉に違和感を覚えます。早く食べて寝ないといけないので、何でも無い・何でも無いと、自分に言い聞かせつつ、食事を続行。
でも やっぱ なんか 痛い!!
わざと気がつかないフリしてたけど 喉 痛い!
ってか ものすごく痛い!
家族の寝静まった家で、彼女は一人、鏡台の前に立ち、片手にピンセット、片手に携帯電話という恰好で、喉の痛みと対峙します。なお・・・携帯電話は、照明に使ったんだそうですよ。
そこからはもう地獄。孤独と苦痛の世界。
そこに骨が見えてるのに ぜんぜん抜けない・・・
最初はこの状況を笑っちゃってたカナちゃんも、だんだん必死になってきます。「いま抜かないと明日は喉がとんでもなく腫れちゃってるに違いない!今抜かねば!私の喉に明日はない!」
オエオエ言いながら、大粒の涙をポロポロとこぼし、無限とも思える時間の中で、必死に闘うカナちゃん。
だいたいね。道具に無理がありますよ。先の曲がったペアン鉗子とかだったらいいけど 家庭においてあるピンセットじゃ抜けねぇって。言ってくれたら帰りにもたせたのにさ。
喉に刺さった秋刀魚の骨が、なんとか抜けたのは深夜の2時。抜けたよぉ~!って お母さんに報告。 うれしかったんだねぇ・・。わかるよ その気持ち。
でも 深夜に起こされて秋刀魚の骨を見せられるお母さんって・・・。
思わずお母さんにも見せた秋刀魚の骨。目に見えてた部分は短かったけど、抜いてみたら2cmもあったそうです。深く刺さってたんですねぇ(オエオエしてる作業中に晩御飯が出ちゃわなくてよかったね)
明日も病院が大混雑だし。仕事のために寝なければ・・ベッドに倒れこむカナちゃん。 疲労困憊。涙も枯れ果て、鼻水もふいてないけど・・・。わたしは寝るわ・・・・。 そして 取り残されるお母さん。
「三鷹に住んでるの?犬飼ってる? じゃぁテツを知ってるだろ?」
遠い南の海でロビンソンさんが発した言霊が、大切なワンコの命を救い・・・・さらにオーバー・ランしてカナちゃんの喉を秋刀魚の骨が襲い 巻き添えでお母さんも寝不足。
狙った相手に金縛りを飛ばせる伝説の男。 ロビンソンさんおそるべし。
こんなロビンソンさんに会ってみたくなった人は、この夏、ぜひ西表島へ!! あるいは北海道テレビのホームページから購入できる 水曜どうでしょうDVD 激闘西表島編をチェック! あなたも藩士の仲間入りです。
おしまい
以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
現在 宮古島を旅行中のマダム・ジャカランダ様より 「早く ロビンソンさんの話の続きを書け!」と リクエストをいただきましたので、続きを書きます。
狂犬病の予防接種だったはずが、あれよあれよというまに血液検査やら超音波検査やらになってしまったワンコ。
残念なことに、予想通りの病気が見つかってしまいました。臨床症状が表面化していないにもかかわらず、中身はガッツりと緊急手術の必要性を示唆しています。
話がいきなりすぎて、なんかもう 平あやまりな気分でしたが、このいきなりの事態をご理解いただき、そのまま入院で手術となりました。早朝に食べたきりなので、このまま点滴をして体を安定させて絶食すれば、終業後の夜には手術ができるでしょう。
この事態を冷静に受け止め、我々を信頼してくださり、素早く決断してくださった飼い主さんに敬意を表し、感謝したいと思います。
ただし、問題がひとつ。この日は、カナちゃんが休みの日。
就職してから毎日、病院が大混雑で、家に帰ったらバタンキューで寝てしまうカナちゃん。
久々の休みをとっているカナちゃんに電話をするのは気が引けましたが、ダメもとで電話をしてみました。
はい! いいですよ~! と元気な明るい声で即答してもらえて一安心。 舌打ちも聞こえなかったし。いい子だわぁ~。
7時まえに カナちゃん到着。
着替えをすませてニコニコと手術の準備をはじめてくれました。舌打ちとかせずに。
閉院後、十分に点滴が入ったころを見計らって手術開始 & 無事終了ぉぉぉ~。
めでたしめでたし。
就職してまだ日が浅いカナちゃんですが、今日は、自分も動物の命を救ったんだっていう実感を持ってくれたんじゃないかと思います。休日の夜中に呼び出されたにも関わらず、とても嬉しそうな笑顔で、自分の仕事の手ごたえを噛みしめている様子でした。
飼い主さんに無事を報告したあと、ロビンソンさんに電話をかけてみました。
少なくとも今日のところは見落とすはずだった手術。下手すると、もっと長いこと経ってしまって、死亡リスクがうんと高い状態での手術になりかねなかった症例です。実際に、飼い主さんも、今の様子だったら、全く危機感もなく、数日は過ごしていたと思うとおっしゃってました。
ロビンソンさんのミラクル無茶振りがワンコを救ってくれました。お礼の電話をせねばなりません。
話を聞いて、ロビンソンさん おどろくやら 喜ぶやら。
「俺もよぉ 犬が大好きだからよぉ そうやって命が助かって、本当にうれしいよ。それにしても 不思議なことがあるもんだなぁ~」
私に言わせりゃ、その不思議なことを引き起こしたのはあなたでしょ。昔っからロビンソンさんのエピソードは不思議でいっぱいだったでしょ。って突っ込みを入れたいところでしたけどね。
19歳の学生だったころに知り合って、いろんな楽しいお話しや不思議なお話しを聞かせてもらいましたけど、今日は、私がネタの提供者ですね。かつての私みたいな学生がロビンソン小屋に遊びに来たら、今日のこの出来事を話してやってくださいませ。
で! カナちゃん。
手術開始がおそかったですから、そのまま押せ押せで帰宅は深夜。(カナちゃんのお父さんごめんなさい)
明日も早いからってんで 大急ぎで晩御飯を食べたところ・・・・彼女を悲劇が襲います。
晩御飯のメニューは秋刀魚の塩焼き。
もうすぐ食べ終わるぞ という頃に喉に違和感を覚えます。早く食べて寝ないといけないので、何でも無い・何でも無いと、自分に言い聞かせつつ、食事を続行。
でも やっぱ なんか 痛い!!
わざと気がつかないフリしてたけど 喉 痛い!
ってか ものすごく痛い!
家族の寝静まった家で、彼女は一人、鏡台の前に立ち、片手にピンセット、片手に携帯電話という恰好で、喉の痛みと対峙します。なお・・・携帯電話は、照明に使ったんだそうですよ。
そこからはもう地獄。孤独と苦痛の世界。
そこに骨が見えてるのに ぜんぜん抜けない・・・
最初はこの状況を笑っちゃってたカナちゃんも、だんだん必死になってきます。「いま抜かないと明日は喉がとんでもなく腫れちゃってるに違いない!今抜かねば!私の喉に明日はない!」
オエオエ言いながら、大粒の涙をポロポロとこぼし、無限とも思える時間の中で、必死に闘うカナちゃん。
だいたいね。道具に無理がありますよ。先の曲がったペアン鉗子とかだったらいいけど 家庭においてあるピンセットじゃ抜けねぇって。言ってくれたら帰りにもたせたのにさ。
喉に刺さった秋刀魚の骨が、なんとか抜けたのは深夜の2時。抜けたよぉ~!って お母さんに報告。 うれしかったんだねぇ・・。わかるよ その気持ち。
でも 深夜に起こされて秋刀魚の骨を見せられるお母さんって・・・。
思わずお母さんにも見せた秋刀魚の骨。目に見えてた部分は短かったけど、抜いてみたら2cmもあったそうです。深く刺さってたんですねぇ(オエオエしてる作業中に晩御飯が出ちゃわなくてよかったね)
明日も病院が大混雑だし。仕事のために寝なければ・・ベッドに倒れこむカナちゃん。 疲労困憊。涙も枯れ果て、鼻水もふいてないけど・・・。わたしは寝るわ・・・・。 そして 取り残されるお母さん。
「三鷹に住んでるの?犬飼ってる? じゃぁテツを知ってるだろ?」
遠い南の海でロビンソンさんが発した言霊が、大切なワンコの命を救い・・・・さらにオーバー・ランしてカナちゃんの喉を秋刀魚の骨が襲い 巻き添えでお母さんも寝不足。
狙った相手に金縛りを飛ばせる伝説の男。 ロビンソンさんおそるべし。
こんなロビンソンさんに会ってみたくなった人は、この夏、ぜひ西表島へ!! あるいは北海道テレビのホームページから購入できる 水曜どうでしょうDVD 激闘西表島編をチェック! あなたも藩士の仲間入りです。
おしまい
以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。