2016.06.19
●ロビンソンさんと秋刀魚の骨 ファイナル●

本日もお立ち寄りありがとうございます。
暑いですね! 暑くて患者さんがいらっしゃらないので、スキをみて犬たちを洗いました。梅雨時の、風呂に入ってない長毛の大型犬ってのは非常にきっつい物体であります。私の車なんか人を乗せられたもんじゃありません。東京都の環境局のお役人様を乗せたときなんか 「臭せぇ」とかおっしゃりやがるもんですから、窓を閉め切ってフルに暖房いれてやろーかと思いましたよ。うちの可愛い犬たちの香りを堪能しやがれ!と。 それにしても大型犬2頭のシャンプーは腰に来ますねぇ。もうね ちょっとしたスポーツですよ。これ。
さて。そんなわけで、ロビンソンさんのお話のつづき。
「西表のロビンソンさんからの伝言を預かっておりますので、お伺いしたいと思います。そのときに犬の狂犬病予防ワクチンの接種もお願いします」 という、とても丁寧な口調のお電話がかかってきたのは 例のご一家が旅行を終えて東京にもどられてからしばらく後のこと。
動物病院では、お名前も名乗られずに、質問をするだけしたら はいサヨナラっていう電話が多いのですが(とくに 猛禽類の飼い主さんとか、爬虫類の飼い主さんとか 野生動物拾った人とか)、「ロビンソンさんからの伝言を届けにいく」という不思議な内容であるにもかかわらず、まるでどこかの、きちんとした会社勤めの紳士からのお電話のような感じでした(心当たりのないお名前だったのでますます謎が深まったりするわけですが)。
その方は、その日のうちに、ものすごく可愛い日本犬をつれて、ご家族でお見えになりました。
当院にお越しになられた経緯を教えていただき、思わず「いやぁ もう うちのロビンソンが お客様相手にとんだ無茶振りをして申し訳ありません。」と頭を下げたくなりました。
アイフォンの中の元気なロビンソンさんからのメッセージを聞き、かなり嬉しい気持ちになったところで、じゃ じゃ じゃ じゃぁ 狂犬病の予防注射を打ちましょうかということになりました。
今日は、この子 元気ですかぁ?
はい 元気です。
じゃぁ うったあと、安静にしてよく観察しておいてください。何かよからぬ変化があったら病院に急行して、今日、ワクチンをうったことを獣医に伝えてください。
なんてなやりとりをして、ちゃちゃっとワクチンをうって、終了ぉぉぉぉぉ!
ってなことになるんですよ。普段だと。
だって 目の前にいるワンちゃん。ふつうに元気そうだし。
ところが、この日はちょっと違いましてね。
目の前にいるワンちゃん、たしかに元気なんですけどね。ただ・・・その前のロビンソンさんの話で、すっかり気ごころ知れた感じになってたもんですから、なぜか、ワンちゃんの様子について、根堀り葉堀り、飼い主さんと対話をしはじめたんですよ。 なぜか。
こんなことありませんか?
あんなことありませんか?
こういう状況だとこういう病気の可能性が出てくるんですけどね・・・って。
目の前のワンちゃん ふつーに元気そうなのに。
ところが・・
一問一答な感じでやりとりしていくうちに、飼い主さんも、 もしや?という表情になってきて、私のほうも、だんだん、確信的になってきて・・・・・・・・・うーん。 これは困った!
あのー。 はじめましての飼い主さんに対して、しかも元気なワンちゃんの狂犬病予防という状況で 大変申し上げにくいのですが、念のために血液検査とレントゲン検査と超音波検査をさせていただけないでしょうか・・
もうね。ふつうの飼い主さんだったら 怒りますよね。怒らなくても 最低限 疑いますよ。ぼったくり獣医かって。
今回の狂犬病ワクチンってのは、むしろ飼い主さん側の好意なわけすよ。なんの用もなくて ただロビンソンさんからの伝言じゃぁ、病院に悪かろうっていう、高度なオトナの配慮なわけですよ。
それに乗じて、なんか脅かして、検査に持ち込もうってか? ってね。
そう 疑われても おかしくはない状況でした。
でも この飼い主さん人格者。
お願いします! って きっぱり。
つづく!
以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
暑いですね! 暑くて患者さんがいらっしゃらないので、スキをみて犬たちを洗いました。梅雨時の、風呂に入ってない長毛の大型犬ってのは非常にきっつい物体であります。私の車なんか人を乗せられたもんじゃありません。東京都の環境局のお役人様を乗せたときなんか 「臭せぇ」とかおっしゃりやがるもんですから、窓を閉め切ってフルに暖房いれてやろーかと思いましたよ。うちの可愛い犬たちの香りを堪能しやがれ!と。 それにしても大型犬2頭のシャンプーは腰に来ますねぇ。もうね ちょっとしたスポーツですよ。これ。
さて。そんなわけで、ロビンソンさんのお話のつづき。
「西表のロビンソンさんからの伝言を預かっておりますので、お伺いしたいと思います。そのときに犬の狂犬病予防ワクチンの接種もお願いします」 という、とても丁寧な口調のお電話がかかってきたのは 例のご一家が旅行を終えて東京にもどられてからしばらく後のこと。
動物病院では、お名前も名乗られずに、質問をするだけしたら はいサヨナラっていう電話が多いのですが(とくに 猛禽類の飼い主さんとか、爬虫類の飼い主さんとか 野生動物拾った人とか)、「ロビンソンさんからの伝言を届けにいく」という不思議な内容であるにもかかわらず、まるでどこかの、きちんとした会社勤めの紳士からのお電話のような感じでした(心当たりのないお名前だったのでますます謎が深まったりするわけですが)。
その方は、その日のうちに、ものすごく可愛い日本犬をつれて、ご家族でお見えになりました。
当院にお越しになられた経緯を教えていただき、思わず「いやぁ もう うちのロビンソンが お客様相手にとんだ無茶振りをして申し訳ありません。」と頭を下げたくなりました。
アイフォンの中の元気なロビンソンさんからのメッセージを聞き、かなり嬉しい気持ちになったところで、じゃ じゃ じゃ じゃぁ 狂犬病の予防注射を打ちましょうかということになりました。
今日は、この子 元気ですかぁ?
はい 元気です。
じゃぁ うったあと、安静にしてよく観察しておいてください。何かよからぬ変化があったら病院に急行して、今日、ワクチンをうったことを獣医に伝えてください。
なんてなやりとりをして、ちゃちゃっとワクチンをうって、終了ぉぉぉぉぉ!
ってなことになるんですよ。普段だと。
だって 目の前にいるワンちゃん。ふつうに元気そうだし。
ところが、この日はちょっと違いましてね。
目の前にいるワンちゃん、たしかに元気なんですけどね。ただ・・・その前のロビンソンさんの話で、すっかり気ごころ知れた感じになってたもんですから、なぜか、ワンちゃんの様子について、根堀り葉堀り、飼い主さんと対話をしはじめたんですよ。 なぜか。
こんなことありませんか?
あんなことありませんか?
こういう状況だとこういう病気の可能性が出てくるんですけどね・・・って。
目の前のワンちゃん ふつーに元気そうなのに。
ところが・・
一問一答な感じでやりとりしていくうちに、飼い主さんも、 もしや?という表情になってきて、私のほうも、だんだん、確信的になってきて・・・・・・・・・うーん。 これは困った!
あのー。 はじめましての飼い主さんに対して、しかも元気なワンちゃんの狂犬病予防という状況で 大変申し上げにくいのですが、念のために血液検査とレントゲン検査と超音波検査をさせていただけないでしょうか・・
もうね。ふつうの飼い主さんだったら 怒りますよね。怒らなくても 最低限 疑いますよ。ぼったくり獣医かって。
今回の狂犬病ワクチンってのは、むしろ飼い主さん側の好意なわけすよ。なんの用もなくて ただロビンソンさんからの伝言じゃぁ、病院に悪かろうっていう、高度なオトナの配慮なわけですよ。
それに乗じて、なんか脅かして、検査に持ち込もうってか? ってね。
そう 疑われても おかしくはない状況でした。
でも この飼い主さん人格者。
お願いします! って きっぱり。
つづく!
以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。