2016.05.26

●ロビンソンさんとサンマの骨 其の二●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 ウィンドウズ10に無理やりアップグレードされてしまって、なんだかタッチバッドの設定が変わってしまい、苦戦しております。無料だからって勝手にアップグレードしちゃうのって、すごい会社だなと思いますが、全世界の公的機関でも使われてるソフトだけに、発生した不具合による経済損失って結構なもんじゃないかと思います。核ミサイル防衛システムのソフトが誤作動しました・・・なんてことのないようにお願いしたいものです。

 さて。ロビンソンさんの件。

 とある日本犬の飼い主さんが、この春に西表島に旅行にいかれました。この方たちは、その段階では、当院の患者さんではありません。
 泊まる予定のコテージが満室だったため、予定を変更して、最寄りの民宿に宿泊されたそうです。既に、このあたりから偶然がはじまっております。予定どおりなら、出会うはずのなかった民宿のおやじから、カヌーガイドを紹介されたのですが、このガイドというのが、藩士のみなさんにはお馴染みの、ご存じロビンソンさんであります。

 参考までに補足説明しますが、現在、西表島には、民宿の数だけ・・あるいはその数倍の数のカヌーガイドサービスが存在し、シーズンのピーク時には、仲間・浦内・ヒナイといった主要河川が、不忍の池のボート乗り場のような景観となります。もうカヌーだらけ。秘境感ゼロ。

 そんな中で、たまたま泊まった、予定と違う宿の縁で、ピンポイントでロビンソンさんを引き当てたというのは、この飼い主さん、相当な強運の持ち主だと思います。なにせガイドさんもピンキリなので。

 念のために更に補足しときますが、西表で自然を相手に遊ぶ場合、実は、大変な危険と隣り合わせなのだという事が忘れられがちです。滝の上からの景色を見ようとして、川に流されて、滝つぼに落下。岩にたたきつけられて亡くなったり、カヌーで海に出たきり、ガイドさんごと行方不明になった観光客の方だっておられます。ハブやムカデにかまれたり、サンゴでゴリっとやっちゃって、縫うような傷を負う方もいます。島を縦走するトレッキングから何年も戻られない方々もおられます。何かあっても、満足な医療施設もありませんので、事故の恐ろしさは内地の比ではないのです。

 そんな中で、お客さんを楽しませるだけではなく、命を守れるガイドとなると、ロビンソンさんは、ナンバーワンの存在だと言えます。実際に私もヒナイ滝の上には何回も行ったことがありますが、増水時にロビンソンさんと滝上の渓流を渡ったとき、一瞬足を滑らせそうになったことがります。川底のどの岩に足をのせれば安全に渡れるかというところまで熟知したロビンソンさんですが、最後は若き日に上野のボディビル・ジムで作り上げた腕力がものをいいます。ガツっと二の腕をつかまれたかと思うと、私の体は宙に浮き、そのままスゥっと対岸に運ばれました。40代後半のおっさんが、60代前半のおっさんにぶら下げられてる画ってのもいかがなものかと思いますが、あのときのロビンソンさんの恰好よさが忘れられなくて、自分も家族を守らないといけないじゃないかと目覚めた私は、現在、遅ればせながら筋トレをやってます。

 つづく!

 この前ふりだと、西表島で遭難しかけた一家のピンチを救うロビンソンさんの雄姿が描かれそうな勢いですが、ぜんぜん違います。もう 水曜どうでしょうそのまんまの、なんじゃこのおっさんは・・・という感じのロビンソンさんが奇跡を生みます! 次回 乞うご期待!
 またハードルあげちまいましたね。

 写真は、ヒナイ滝の滝上からの景色。この下は県下最大の落差60mを誇るヒナイ滝で、滝つぼは淵ではなく、岩ゴロゴロなので落ちたらアウトです。「西表自然美術館」というサイトよりお借りしました。

 
   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。