2015.12.18

●やっぱ異常気象●

本日もお立ち寄りありがとうございます。
 皆さまクリスマス・シーズンを楽しくお過ごしでしょうか。

 マスコミに踊らされるもんか!と目を覚ましたのも束の間、今度はサツキの開花に遭遇。
 おいおい まぢか? さすがに冬サツキなんて聞いたことないぞ。  と勇んで撮影。←すでにブログに追われる駄目な奴になってますね。

 ところがどっこい。サツキという植物は、開花スイッチが甘いのだそうで、ちょっとした寒暖の差で開花してしまうそうで、特別な異常気象ではなくても普通に「狂い咲きの常連」なのだそうです。 

 先入観ってのは怖いですね。

 そもそも 車のハンドルのごとき「遊び」があるというのは生き物の生存と進化にとっては大切なことで、狂い咲きというのも立派な自然現象なのであります。鑑賞側の都合からすれば 狂ってる ってことになるわけですが、植物にとっては、環境変化に対する臨機応変な対応の幅なんですね。

 そんなこんなで襟元を正した私のところにテレビ局から電話が・・。
 局の人「タイガー犬って知ってますか?」
 私 「は?」「猫のトイガーじゃなくて??」

 なんでも、中国にて、トラ模様に染色された仔犬が売られていて、買って帰ると1週間で死んでしまうというのが問題になっているそうで・・・・。
 局の報道の作意としては、中国の染料イコール毒性が強い→そんな危険なものを仔犬に使ったら死ぬ→金に目がくらんだ中国人は酷い奴らだ・・・というストーリーらしく。

 襟元を正したばっかりの私はですね。日本全国のトリマーさんを風評被害から守るためにこう言いましたですよ。

 「犬のカラーリングを楽しむという事自体は悪いことじゃないし、専用の毛染めもあるようですよ。中国の方たちが使ってる染料がなんなのか実態がわからないまま危険だと決めつけるのはよくありません。そもそも仔犬が死亡する原因というのは沢山あって、収容所から払い下げてきた仔犬にワクチン接種もせず、保温もせず、ロクな餌もやらずに風呂に入れてカラーリングをすれば体が弱ってしまいますから、染料に毒性がなかったとしても死んでしまう原因はいろいろ出てくると思います。犬のカラーリング イコール毒性が心配 という図式を報道すると、問い合わせの対応に困るトリミングサロンも出てくると思いますから、そのへんの裏とりもお願いしますね。」

 12月のトリマーさんに、しょーもない電話の問い合わせが殺到する事態だけは避けたいですからね。

 あとね・・なんというか。
 私の子供のころはですね。リンリンランラン留園♪ランランカンカン動物園♪とかって歌をうたいながらね、明星食品の劉昌麺にあこがれたわけですよ。お鼻の赤い劉昌さんが 「値段 ちょっと高いね」 とか言うもんだから、ついぞ買ってもらえなかったりしてね。
 あの頃って、みんなけっこう中国好きだった気がするのになぁ・・・。 いつからこうなっちゃったんだろう。
 
 ともあれ、一通りの解説を終えると、取材の人は、なるほどそうか!と喜んでくれました。
 ただし・・・たぶん報道そのものがボツになったと思います。
 公平な見解って 物語性に乏しいですからね。

 以前に、バッファローの銅像に発情するヘラジカの気持ちについて聞かれたときには、畜産業界で使う偽雌台という道具について説明しましたが、やっぱボツだった様子。カミツキガメが怖い生き物だと無理やり言わされそうになったときには2時間もカメラまわってましたけど、最後はしびれを切らして「上層部の意図にあわせたコメントしてくれないから使いようが無い!」と怒られました。 その正直さを視聴者に向けてくれ!

 またの取材をお待ちしております(笑)
 
  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクターいのかしら公園動物病院の石橋でした。