2015.11.21

●AKB48●

私が子供の頃には、室内で犬を飼う事は特殊な例であると認識され、室内飼いの犬たちは、今では死語と化しつつある座敷犬という蔑称で呼ばれていました。極度の犬好きを悪趣味であるとしてステレオタイプに表現する場合、コンチネンタルカットのプードルとザマス言葉の女性主人の組み合わせが用いられ、中でも悪趣味の最たるものの一つが犬に服を着せる事だとされていました。
犬が服を着ている姿は、今ではあたり前田のクラッカーな景色で、特定の機能をもった服に至っては、むしろ着用が推奨されるくらいですが、何しろ私が子供の頃には、服を着た犬は「あほちゃうか?」と異端視されていました。
なんて事を書いていると歳がバレて思わぬ影響がCOREさんにも波及するので昔話はこのへんにしときますが・・・。

本題。
爬虫類がペットとして飼われ始めたのが、昭和40年あたり。お菓子の景品として一気に知名度をあげたミドリガメ(景品に用いられた際のキャッチコピーがアマゾンの緑ガメ 正式な名前はミシシッピアカミミガメ)以外にも、好事家たちの血のにじむような努力によって、細々と海外の爬虫類を飼育する悪趣味が模索されていました。なにしろ人間の暖房器具ですらロクな製品がない時代に、飼育環境を一定の温度に保つための電気工事から何から一切合切を自力でこなして、英語ドイツ語ロシア語なんでもござれの科学論文とにらめっこしながら必死に爬虫類を飼育していた人たちがいたわけです。この人たちは、自らが異端であることをちゃんと自覚し、人に不快感をあたえたり、人から変な目で見られないように、こっそりと飼おうという良識や奥ゆかしさを持っていました。中には、どおだぁ~!とばかりに自慢する人もたまにはいましたが、そういう人はたいてい上手に飼えていない人で、飼うというより買う人たちと言っていいでしょう。
が! 
最近の爬虫類飼育者の皆さんは、なんかもう私の理解不能な境地に達しており、お名前のついたトカゲ(主としてアニメの主人公の名前だったり・・)を肩にのっけて、爬虫類専門のカフェに集ってパーティなんかをなさっております。爬虫類カフェって何?って思われる方も多いでしょうか、これがまた普通にあっちこっちで営業されているのです。絶滅の危機に瀕した昔ながらの純喫茶(ナポリタンとかおいてるところ)の数より多いかもしれません。
 爬虫類飼育の世界は、どうやら加速度的に進化しているようです。
 添付のお写真は、AKB48の衣装を完全コピーした手作り作品で、作者の器用さに感動ですが、なななんと。これはトカゲが着るお洋服だそうです。
 「オオシマトカゲに着せるにはデカイな」という私のウィットに富んだ一撃がカンペキにスルーされたのは誠に遺憾でありますが、天国の千石先生からは座布団をもらえたんじゃないかと思います。
 写真の洋服の作者はいずれ、蛇に着せてもスルリと脱げないお洋服なんかも作ることでしょう。お気に入りの服は繰り返し着せるもんだから もう 蛇ぃローテーションなんてね・・・。
では おあとがよろしいようで(お囃子)

以上。三鷹・吉祥寺のペットドクターいのかしら公園動物病院の石橋でした。