2015.10.03

●Milly-la-Foret●

1946年の映画「美女と野獣」を監督したフランスの芸術家、ジャン・コクトーが晩年を過ごした村 ミリー・ラ・フォーレ。騎士の森という意味だそうです。
12世紀ごろ、十字軍によってもたらされた疫病を治療する目的で村に療養所が建てられました。以来、この村では薬草(ハーブ)の栽培や取引が盛んに行われ、疫病の無くなった現代でもハーブの聖地として人気スポットとなっているそうです。村には療養所付属の礼拝堂が現存しており、1950年代の改修時、コクトーはこの礼拝堂に壁画を描きました。
壁画には、天に向かって伸びる薬草が描かれており、その根元には1匹の猫がシッポをピンとたてて薬草の花を見上げています。
写真の猫はフォーレちゃんといいます。同居の猫に、ミリーちゃんがいて、このホームページの治療案内の「猫」のところに写真をお借りしています。二人あわせてミリー・ラ・フォーレ。壁画の猫にちなんで名づけられたそうです。

フォーレちゃんは、何度も死線をくぐり抜けてきた強い子です。12世紀のミリー・ラ・フォーレでは、診療所といってもハーブと礼拝堂での祈りしか病気と闘う術がありませんでした。現代の日本に暮らすフォーレちゃんは飼い主さんのおかげで最良の治療を受けることができます。様々な検査や処置を我慢できたフォーレちゃんの穏やかな性格も、治療成功の秘訣かもしれません。
お名前の由来が素敵だったので、前回の記事のお口直しに紹介させていただきました。

名前の由来といえば・・・ うちのエイちゃんの名前ほどテキトーな付けかたをされた例はありません。いつか、そのエピソードと、エイちゃんのおじいちゃん犬の、故ロジャーがアカデミー賞アニメのワン・シーンのモデルになった話なんかもご紹介してみたいと思います。


以上。三鷹吉祥寺のペットドクターいのかしら公園動物病院の石橋でした。