2015.09.30

●ましゃかの電撃発表●

28日付の報道をうけて、日本全土が女性の悲鳴と嗚咽に包まれた火曜日。放心状態で出勤できなかったOLさんも多かったと聞きます。一夜明け みなさん もう立ち直られましたでしょうか?来世にもチャンスはあります。がんばりましょう!
昨日の私は、そんな騒動など無かったかのごとき平常心で、朝いちで可愛いラブラドールの手当てをしたあと、その足で藩士の一人を拉致して、富士山麓に大蛇の往診に行ってまいりました。特定危険動物のマイクロチップ挿入という任務ですが、飼い主さんの「魂のリクエスト」で、もしも私たちが二人とも巻かれて動けなくなった場合に、もう一人、助けを呼んだりヘビをほどいたりする人員を用意してくれ!ということで、私の助手を務めてくれる人材を連れていくことになりました。たしかに、見てくれの悪いおっさん2名が異常に密着した状態であの世に行く画は想像したくありませんし、運が悪ければ、一人は飲まれて半分消化された状態で発見されることになるかもしれません。もう一人確保すべし!最初は、獣医大学で屈強な男子を探してみたのですが、エレガントな草食系しかおらず、たまたま別件で居あわせた吉祥寺最強の動物使い(女子)に、なんか飯くわすから!という雑な条件で協力してもらうことになりました。
特定危険動物に該当する大蛇は、アミメニシキヘビ、アフリカニシキヘビ、ビルマニシキヘビ、オオアナコンダほか計7種となっていますが、その指定理由は、人に対する殺傷能力がある、実際の死亡事故が有る、の2点です。今回の対象個体は、すでに全長が3.5mを超え、太さもハタチの頃の私のウェストくらい。体重は40kgほどになっており、人への殺傷能力を十分に備えた体格です。
今回の任務の「実に興味深い」点は、この個体は人を殺せる生き物であるにも関わらず、登録したいと申し出た飼い主に対して、役所が、その必要はない!と返答している点です。たとえば、ビルマニシキヘビをペット屋さんで買うとして、それが体長50cmの赤ちゃんであっても、登録は強制であり、違反すると100万円以下の罰金か6カ月以下の懲役に処せられます。これは動物園ですら守っている決まりです。しかし今ここにいる写真の個体は、こんなに大きいのに「登録しなくていい」と言われているのです。法律の抜け穴、あるいはザル法の目とも言える、「さっぱりわからない」事情について、次回 解説します。

そういって次回次回と後回しにするから いろんな話題がちらかしっぱなしのままとなるわけですが、お詫びしつつ先へ先へと進んでいきたいと思います。

尚、個人の肖像権の関係上、飼い主さんのご尊顔は、昨夜偶然に入手した某画伯の手によるイラストに置き換えてあります。飼い主さんご本人とは全く似ておりませんが、今回の任務とはゆかりの深いイラストですので貼り付けてみました。画伯はこのイラストのモデルとなった人物に「家族になろうよ」と言われとか言われなかったとか・・その話はまた別の機会に。

以上。三鷹吉祥寺のペットドクターいのかしら公園動物病院の石橋でした。