2015.09.21

●UMA 未確認動物 その2●

サワーはないのか?というリクエストに、こじゃれたビール・バーじゃなくて●民あたりにしときゃよかったと後悔しつつ、なぜこの写真をヤモリだと思うのか?私は彼女に聞いてみました。すると、彼女の地元の観光協会がそう言っているからだと、私にスマホの画面をみせてくれました。
某島観光協会は、東京都伊豆七島の某島では、いままで見ることのなかったヤモリが近年観察されるようになったとフェイスブックに投稿しています。観光協会は、ヤモリは貨物にまぎれて内地から侵入したものであると推測しており、M島噴火後の物流の変化が原因であると考察しています。現地ならではの事情が反映された興味深い報告文です。
観光協会が投稿した写真には、しっかりとニホンヤモリの幼体がうつっています。
誰がどこでどんなラーメンを食べたか実況するためのツールだとばかり思っていたフェイスブックですが、こういった自然史的知見を記録として残す機能もあるのだなと、心の中の「いいね」をクリックしました。こういった情報は、環境省が政策に反映しやすいように、できれば学術雑誌に投稿していただけるといいのですが、フェイスブックだと参考文献とは成り得ないのが残念です。
というわけで、たしかに、M子先輩の島には、ニホンヤモリと思われるヤモリが国内移入種として侵入していることは確かなようです。
しかぁし!! 今回の写真は、絶対にニホンヤモリではありません。
豚骨ラーメンを消化できない52歳の主婦が恐怖と闘いながら、震える手で遠巻きに撮影した上に、余計なデコまで施した、ド・ピンボケな写真とはいえ、そのプロポーションからして、あきらかにニホンヤモリではない別の生き物が映し出されているのです。胴長短足で、離島での発見ということから、キノボリヤモリか?と仮定してみましたが、やはりどうみても違います。 そもそもイモリとタモリの区別も怪しい人が観光協会に言われるままに「ヤモリだ!」言っているにすぎないわけですので、これはもう「ヤモリじゃねえ!」ということで良いと思われます。絶海の孤島にて52歳主婦の寝床にあらわれたこの生き物の正体やいかに??
次回、爬虫類学者の見解も交えての問題提起となります。
                      つづく。

以上。三鷹吉祥寺のペットドクターいのかしら公園動物病院の石橋でした。