2017.06.18

●VS.謎の虫●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 さっき、カナちゃんに「先生・・あのぉ~・・・」って、とっても言いづらい感じで話しかけられました。

 「どうした?何かあった?」と聞いてみると。

 「先生のズボンが裏返しです・・・」

 あわてて確認するまでもなく、作業着(スクラブスーツ)は見事に裏返し。ポケットがダンボの耳のように左右にパタパタしております。折り目という折り目はすべて裏返しだから縫い目くっきり。

 この光景を一言でいうなら 「ザ・マヌケ」。

 「おおおおおおおおおおおお ありがとう。あぶねぇところだった。まだ 3件しか患者さんに目撃されてないからセーフだな。新患の患者さんだったらドン引きだな。あぶないところだったぜ。」

 ってね。心優しい看護師たちに支えられながら 今日もこんな感じでやってます。

 さて。  数十年ぶりの再会とえいば・・・の続きです。

 大泥棒ホッツェンプロッツっていう児童文学作品をご存知でしょうか。なんか3巻くらい出ていて、世界的ロングセラーなんだそうです。調べてみたら、作者の人は元ナチスドイツの将校だったみたいですね。

 私はこの本が大っ嫌いで、本屋で平積みにされているこの本の表紙の不っ細工な絵を見るたびに、嫌ぁ~な気分になります。

 忘れもしない小学校の夏休み。図書館で何冊か本を借りていって、読書感想文を書かなければいけないことになりました。

 私は、自然科学系か動物の本しか読まない、非常に偏った子だったので、担任の先生が「このままでは将来、犯罪者になるに違いない」と心配して(ほんとに言われた!!)、私のチョイスの半数を却下。無理やり渡された数冊のうちの一冊がこの大泥棒ホッツェンプロッツでした。

 根拠のない理不尽が大嫌いだった私は、断固抗議したのですが、「そんなことないでしょう。おもしろいでしょう。この本はおもしろいのよ。なにしろおもしろいんだから読みなさい!」って100倍返しで叱られて、泣く泣くこの本を課題としました。

 そんなふうに強制されて読むのはシャクだったので、後書きを斜め読みして、ストーリーをテキトーに
空想した上で感想文をでっちあげました。のちにその感想文は非常に高い評価を受けたので結果オーライです。

 こうして、嫌な記憶と共に「一生読むもんか」と心に誓ったホッツェンプロッツの野郎には、その後本屋で会うたびにイラっとさせられました。

 ところがその後、娘が産まれ、毎晩、童話の読み聞かせをしていたせいで、ネタに困り・・ とうとう世界中のおかあさんたちが絶賛する、あの作品を読むハメになります。

 もうね。全世界がアウェイな感じですよ。これを読ませないでどうする的な。こんな素晴らしい作品を知らないなんてありえませんよ的な。携帯電話もってないくらいの孤立感。

 いまいましかったけど 買いましたよ。そんでもって、全巻 声に出して読みましたよ。セリフのところも感情をこめてね。

 幼稚園時代、伝説のお話の先生として全ての園児と父兄をとりこにしていた深川先生もきっと褒めてくれるんじゃないかと思う熱演ですよ。 もうね朗読は得意です私。

 まさかねぇ・・・あのホッツェンプロッツをいまごろ読まされるとはねぇ。おまえはニコニコ海苔か!って思いましたもの。

 写真は、25kgの仔犬。ちょっと育ってましたね。11ヶ月だそうです。

 めちゃくちゃ可愛かったのですが、散歩に連れ出したら草むらに飛び込み、全身に謎の昆虫を沢山つけて帰ってきてしまいました。

 ワンコが散歩から帰ったその足でマユちゃんにジャレついたところ、マユちゃんが虫だらけに。

 大の虫嫌いのマユ・カナはもう 大パニック!

 二人で大騒ぎしながら強固にしがみつく謎の昆虫を除去していました。

 意外だったのはカナちゃん。カナちゃんは虫だらけのマユちゃんを放置して逃げるかとおもいきや、果敢に除去作業に没頭しておりました。曰く・・「人のためだったら虫とれるんだ私・・」だそうで。カナちゃん大成長ですな。


 以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。